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新型インフルエンザ、油断してはいけません!

新型インフルエンザについて、少しずつわかってきたことがあるので、
これまで考えたことを書きます。

その前に、
連休明けに、定期の仕事で、よく出入りしている新聞社に行ったら、
今までは、ノーマークで自由に出入りできたのに(それも危機管理上まずいでしょう)
入口に「新型インフルエンザ対策」として、受付のデスクが置かれ、
名前を書き、消毒用ジェルで手を消毒させられ、マスクを渡されました。
いつまで続けるのか?ときいたら、
急きょ、受付を任命された社員が「さあ、2、3日じゃないですかね」と言ってました。

その新聞社は、
今まで新型インフルエンザについて注意を促す記事を
たびたび書いていましたから、そのくらいやって当然なのですが、
普通の会社では、何の対策もしていないところが多いようですね。

電車の中でも、マスクをしている人はほとんどいませんでしたし、
「弱毒性」ということで、
「大騒ぎしたわりに、たいしたことないじゃん」
というのが多くの人の心情ではないかと思います。

といっても、国内感染者が出たばかりですから、
これからどうするかが、大げさなようですが、
運命の分かれ道になるのではないかと思っています。

そんななかで、アメリカCDCに続き、
日本政府も、対策を緩めるほうに偏り始めたのは
かなり心配な状況といえます。

まず、今回のウイルスは、
「新型」には違いないですが、
これまで想定していた強毒性のH5N1型でなく、弱毒性のH1N1型であること、
抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)の耐性ではないために、
被害が小さく抑えられているということは、不幸中の幸いと考えるべきでしょう。

ウイルスというのは、感染の過程で、少しずつ変異していくものなので、
(だから、ワクチンを接種していても、毎年インフルエンザにかかる人がいるわけです)
今までのインフルエンザがタミフル耐性(タミフルが効かないタイプ)に変異していることを見れば、
新型インフルエンザも、
今後、いつ、どのあたりで、どういう変異を起こすのかわかりません。
だから、ワクチン製造まで自分が新型インフルエンザにかからなかったとしても、
新しいワクチンが効くとは限りません。
(まあ、でもこれはたぶん大丈夫でしょうね)

もう一つ、本当の脅威であるH5N1型のほうですが、
そちらも、ひたひたと、発生に近づいているということを忘れてはいけません。
インドネシア、エジプトなどで、鳥インフルエンザの人への感染、死亡が相次いでおり、
哺乳類への感染がかなり広がっています。

そちらのウィルスが、ヒトーヒト感染を起こすのも、時間の問題と考えれば、
今回のH1N1型ウィルスの経験を最大限、教訓にすべきところですが、
政府が対応を緩め、市民が警戒心をなくしてしまうことになると、
かなり心配な状況といえます。

政府の今までの取り組みについて、
私は、よくやっているほうだと感心していました。

というのは、
新型インフルエンザ(あくまでもH5N1型ですが)の脅威については、
専門家の間でも評価が分かれ、
大したことないという人と、政府の予想でも甘い、という人がいたのです。
そして、政府の予想でもまだ甘いという人たちの意見が通りはじめ、
政府が新型インフルエンザ対策に本腰を入れ始めたのは、つい最近のことだからです。
新型インフルエンザ行動計画
が改定されたのは今年の2月です。

それまでは、国の対策は「水際作戦」が主で、
国内で感染者が増えたときのパンデミック対策はないに等しかったのですが、
「今の時代、海外のどこで発生しても、国内での流行は避けられない。それを前提に行動計画を練り直せ」という専門家の指摘に、
ほぼ一年がかりで、ようやく、方針が変更されたところだったのです。

さすがに、水際作戦の訓練と、タミフルの備蓄だけは行われていましたから、
今回も比較的スムーズに対応が取られていますが、
それでも、ほかの対策は行動計画が改められたばかりですから、
かなりずさんだということが明らかになりました。

たとえば、
発生の疑い段階で記者会見をするのはいいのですが、
疑いの段階では、
年齢、性別、経由カ所など、最小限の情報を公開すればよいところを、
必要以上に公開していたのではないか、

効果的な手洗いの方法、疑いのある場合の対処法など、最低限知るべき情報のみを
共通の広報で出すようにできなかったのか、

国と自治体の連絡の悪さ、

自治体によっては、隔離病院さえ決まっていなかったこと、

など、あちこちにほころびが見えます。

また、一番、知識があるはずの医療者の中から、
診療拒否の病院が出たことも見逃せません。

つまり、水際作戦はかなりできても、それが、絶対的な効果を期待できるものではないとわかっている以上、
必要となるべき感染拡大の予防のための対策が
自治体レベル、医療機関レベルではほとんどできていないということが露呈されています。

さらに、医療の整っている国とそうでない国の被害が大きく違うという問題は、
国内でも階層的な医療格差の違い(保険料が払えなくて病院に行けないという人の存在)や
情報格差の問題として、当然起こってくるに違いありません。

この状況で、対策が緩和されると、
本当の脅威が始まった時に、
「あんあふうに報道されたり、何日も隔離されたりしてはたまらん!」ということで、
感染を隠す人が出てくるのではないか、それこそ、最も、危険なことではないかと思います。

私は、いたずらに危機感をあおるつもりはないのですが、
多くの人にとって、突然降ってわいた新型インフルエンザ騒動を、
今後の対策にどう生かすか、それがやっぱり重要だと思っています。

あと一つ、国家的危機と、個人の危機の関係という大問題も残っているのですが、
それについてはもっと深く考えなければいけないので、そのうちに。また。
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