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エコナ・ショック

花王のエコナが、
体内で発がん性物質に変わるグリシドール脂肪酸エステルを多く含んでいるとして、
店頭から自主回収され、スーパーの売り場にぽっかり穴が開いたのが、9月16日。

それから約1ヵ月後のおととい。
花王は、ついに、エコナの特定保健用食品(トクホ)の表示許可の失効届を消費者庁に提出しました。
「トクホ」マークを自主的に返上したわけです。

制度から言うと、
消費者庁がトクホの取り消し権限を持ってはいるものの、
取り消すには、食品安全委員会による科学的評価、再審査の結果を待つしかないということで、
花王は、当初は、その結論が出るまで、何カ月か何年か先まで、
トクホを返上する気まではなかったようです。

消費者団体からの批判が高まるにつれ、自主返上せざるを得なくなったということでしょう。

しかし、花王がエコナの発がん性を認めたわけではなく、
「エコナ関連商品について、食品としての安全性に問題はないと判断している」
ため、買ってしまったものは、どうぞご自由に口に入れてください、
というスタンスです。

ダイエット・健康ブームに乗って、
値段は高いけれど、「脂肪がつきにくい」=健康に良いという触れ込みで
ヒット商品になったエコナ。
お中元・お歳暮の定番商品にもなっていたので、
家に残っているエコナはどうしよう、と迷っている方も多いのではないでしょうか。

そういう方は、やはり花王さんに、返品=買い戻してもらうよう、
働きかけたほうがよいのではないでしょうか。

たとえ、それが「いただきもの」であっても…。

もう一つ、気になるのは、
これだけの大きなニュースがテレビではほとんど報道されていないということです。
(私の知る限りでは)
返品するような商品であれば、
花王自らが、たくさんあるCMの一つや二つで、このことに触れてもよいはずですし。
これは、テレビ局が、巨大スポンサーのひとつである花王に遠慮しているのか、
スポンサーからの圧力がかかっているのか、
どちらかではないかと想像しています。

それで、いまだにこのニュースを知らずに
エコナで料理している人もいるのではないでしょうか。

さて、今回、エコナに限らず明らかになったのは、
「トクホ」という制度そのもののあいまいさです。

エコナの「トクホ」申請にもとづく審査の中でも、
安全性を疑問視する意見がいくつも出されていたにもかかわらず、
花王の提出した検査結果だけが採用され、トクホとして認められたという経緯があるようです。

この際、エコナ以外のトクホ商品についても、徹底調査してほしいと思います。
というより、トクホ制度そのものを見直した方がよいと思いますよ。
(福島さん、がんばって!)

いろいろな添加物を使っている製品の安全性を国が全部検査できないなら、
わざわざ、「これが健康に良い」とお墨付きを与えるのはおかしな話ですから。

私自身は、油はいろいろな原料の油を混ぜた「サラダ油」や、
添加物の多いものは、
酸化しやすいのでよくないと聞いたことがあったので、
ずっと一種類の原料でできた油、
この間は「なたね油」を使っていますが、
(そういえば、そういう文章を書いた時は出版社に削られてしまったなあ)
マヨネーズやマーガリンはいろいろ混ざったものをよく買っています。

いま、安全なものだけ食べようとすると、
食べるものがどんどん減っていく→食生活が昔ながらのシンプルなものになる→やせる
ということになるのかもしれません。

これは、ライターの仕事にも言えることかもしれません。
というのは、ライターも、健康関連の記事の中では、
トクホ商品について書くことがよくあるからです。

今回、わたしも、自分が書いたものが気になって見直してみたのですが、
まず、「エコナ」そのものをおススメする記事は書いていなかったことにホッとしました。
(しかし、それは偶然で、例としていくつかの商品を挙げてほしいという依頼で、
別の商品を紹介したことはあります)

トクホについては、制度として、
「個別審査を受けて許可されたものだけにこのマークが付けられています」という説明にとどめ、
「トクホだから安全です」という書き方をしていなかったこともホッとしました。
(やはり、自信を持って言えることでなければ、書けませんね)

とはいっても、
トクホ審査そのものに問題があり、トクホという制度全体の信頼性がないとしたら、
もっともっと慎重にならなければいけないなあ、と思います。

慎重になる→書けることが減っていく→仕事が減っていく→食費を削るしかない→やせる

まあ、それですむなら万々歳なのですが、
食べ物にしろ、薬にしろ、書けることはどんどん減ってしまって、
そのうち、廃業しかなくなるのかなあ、と思う今日この頃です。

もちろん、食べ物の危険性について書くという仕事もありますが、
そういう仕事は悲しくなるから、あまりやりたくないんですよね。

あ~あ~、恋愛小説家になれるぐらい、豊富な経験があったらなあ。



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コメント

[C664]

ナショナルが、大々的に回収のCMを流したのは、
非常に衝撃的でしたよね。
さすが松下幸之助さんが作った会社だと思いました。

本当に市民の幸せを願った行動へと、
世間が向かうためにはどうしたらいいんでしょうかね。

一つは政治面からのアプローチもあると思います。
花王側もその点はしっかりしてほしいところですよね。

[C665] kishさんへ

やはり、企業や組織は不信や失敗にどう対処するかというトップの決断が大切ですよね。
食の安全がこれだけ言われている時代にしては、花王の対応は不信感を増幅していると思うんですけどね。

[C671] 出遅れましたが・・・

友人のお母さんは、エコナ使用のツナ缶を自分もネコにも与えていたらしく激怒し、缶詰メーカーを呼びつけて引き取らせ、それでも怒りはおさまらず、ついでに未開封のエコナ食用油まで引き取らせようとしましたが、さすがにそれは買い取ってくれなかったそうです。
缶詰メーカーも被害者ですね(笑)

トクホは、花王に限らず、臨床試験は全て申請者の実施したもののみですよね。
それもサンプル数が20とか、当初は極端に少ないものもあったそうで、それがまだ生きています。
おっしゃるとおり、認定者側による試験も行なわれてしかるべきです。
おっしゃるとおり、トクホ自体の存在意義が再考されるでしょうね。

私も幸い、エコナ拡販には関わっていません。
というか、動物的勘が働いて、個人的にも1度も食しておりません。
マーガリンもですけど、人工的に変形した油はちょっとこわいです。

でも、これすごくわかります>もちろん、食べ物の危険性について書くという仕事もありますが、
そういう仕事は悲しくなるから、あまりやりたくないんですよね。

長くなってしまってすみません。
  • 2009-10-25 11:58
  • nakaho
  • URL
  • 編集

[C672] 猫ちゃんも?

あ、ナカホさんはトクホ嫌いなんだ(オヤジぎゃくにもならんか)
でもエコナ使用のツナ缶、「ぜ、ぜいたく」って、今までなら言えたんですが、本気で心配ですね。

私は最近、やっぱりツナ缶はノンオイルよりオイル入りのほうがおいしいや、と思ってしまいます。って、これはトクホと関係ないか。(ああ、テンパってくると、変なことばっかり書いてしまう)

[C674] エコナ

私も開業当時はエコナなどを勧めていましたが、1年前くらいに国立栄養研究所の方と話す機会があって、エコナの原材料などに疑問を持っていたため聞いてみると、代謝物がどうなるか不明のものがある、とおっしゃっていました。 まだ調査段階だったので発癌性云々の話はなかったのですが、この頃から患者さんには勧めないようにし始めました。 やはり材料がなんだかわかっているものの方が安心ですよね。

[C676]

thermeさん、
やっぱり、患者さん相手だと、へたなこと言えませんよね。
いろんなところにアンテナをはっていなくてはならないドクターも大変そうですね。

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