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緩和ケア

元来、あまり立派な人間ではないので、
深刻な問題は、避けて通りたいタイプ。
だから、仕事でも、深刻な病気に関するものには、なるべく距離を置いていた。

でも、そうもいっていられない。
このところ、鎮痛薬、麻酔薬関係の仕事がときどきあり、疼痛について勉強しなくてはならなくなった。
手術時の疼痛コントロールなど、いろいろな状況で使われるのが、オピオイド系というモルヒネなどの麻薬。
するとどうしても、がんの緩和ケア、にたどりついてしまう。

いろいろ資料を読んでみると、今は、昔と違い、
痛みを積極的にとることは、医療者の義務という考えが当たり前になっていて、
モルヒネの使用テクニックもかなり進んでいるようだ。
また、がん治療関連の情報は、ネットでも非常に良いものが見られる。

「緩和ケアの普及のための地域プロジェクトOPTIM」のHPでは、
映像で、緩和ケアについて知ることができる。

モルヒネの量が増えることを怖がって、痛みを我慢する人が多いと聞くが、
痛みにより、眠れない、苦しい思いをするのは、治療の効果を上げる上でもマイナスになるから、
ガマんはしないほうがいい。

それに、痛みのない健康な人が麻薬を使うと依存症になるが、
痛みがある人に使う分には中毒にはならない。

そのことを、ていねいに説明してくれる緩和治療・ケアの医師や看護師も、もっと増えてほしい。

緩和ケア病棟も、もっともっと、当たり前に増えてほしい。
少し前に、某県立がんセンターで緩和ケア病棟をさらっと見学させていただいたが、
きれいでいいところなのに、たしか、8床しかなかった。

私のいとこの夫が、数年前に、肺がんで緩和ケアの行きとどいた病院で亡くなったが、
本人がモルヒネを嫌がり、痛みをがまんしたらしい。
最終段階でその病院に転院したのだが、
意識が薄れて家族と話せなくなるのと、痛みをとるのと、
どちらがいいかと聞かれての選択だったという。

長寿社会はそれだけ、がん患者が増える社会でもあり、
特別な病気ではないのだから、
痛みとどう向き合うか、自分の問題として考えておく必要がある、と思う。

思い起こせば、身近な人で、最初にがんで亡くなったのが、高校の同級生のお母さんだった。
かなり悪化した時期に、その友達と一緒に、
お母さんの好きなお汁粉をつくってお見舞いに行ったところ、
最初は喜んで食べてくれたが、途中から痛みに苦しみ始め、
「今日はもう帰って」と言われ、二人でとぼとぼ帰ってきた。

あれ以来、「がんは痛い」が頭にこびりついている。

痛みというのは、チョー個人的というか、主観的な感覚で、
かりに痛みの度合いが同じであったとしても、
一人にとっては「耐えられない痛み」でも、別の人は「がまんできる痛み」
であったりする。
たとえば出産の痛みも、私にしてみれば、想像したほどではなかったが、
それがほかの人より安産だったせいなのか、がまん強くできているのか、
結局のところ、だれにもわからない。
また、痛いと言うことが恥ずかしいことだという文化も日本にはある。
とくに成人男性は、がまんしてしまうことが多い。

…で、私の場合、やっぱり、痛いのはいやだから、がまんしないつもり。
でも、痛いと感じる感覚も、私自身であって、
その「感覚」が消えるというのもなんだか、こわい…

う~ん。やっぱり、考えること自体がしんどいことでした。
答えはまだ先延ばし、あるいはその時になってからでいいや。
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