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薬剤耐性対策 おかしな診療報酬改定

日本では、抗生物質を使いすぎ、とよく言われます。
その結果、薬の効かない菌(薬剤耐性菌)が増えて、
肺炎や、手術後、抗がん剤のあとの感染症といった、重篤な症状になっても、
使える薬がない、という、恐ろしいい状態になってきました。

抗生物質(抗菌薬)は、細菌を殺す薬であって、
インフルエンザや風邪など、ウイルスが原因の病気には効かないのですが、
日本では特に高齢者、子どもに「風邪を引いたので、抗生物質をください」
という患者や保護者が多いんだそうです。
(というか、日本以外の国では、ちょっとした風邪やインフルエンザで病院には行きませんけどね)
中耳炎とか、気管支炎とかになったことがあると、
予防的にほしいとか、軽いうちに治したいという人もいるようです。

医師のほうも、患者にそう言われると、断りきれないという状態が
当たり前になり…その結果が、薬剤耐性菌の横行です。

これについては、岩田健太郎先生の
「99・9%が誤用の抗生物質 医者も知らないホントの話 (光文社新書)」も出ていますが、
厚生労働省が昨年、ようやく、「抗生物質の適正使用の手引」を作成し、
軽い風邪や下痢には用いないよう勧めています。
…というか、
いまさらこれを医者に教えなくてはいけないということ自体に驚きました。

しかしそれだけでは足らないのか、
今年4月の診療報酬改定では、
乳幼児の風邪や下痢に際し、適切な説明により抗生物質の処方を避ければ、
医師に報酬が支払われることになりました。

ちょっと~。おかしくないですか~?
これが当たり前になったら、
どんな薬も、不必要だから薬を出さないという説明をして
診療報酬をもらう、ということになりませんか?
その前にやることは、
ちょっとした風邪ぐらいで病院に行く必要はない、国民に指導することでしょ。

昨年亡くなった小児科医の毛利子来(たねき)先生は、
子どもをクリニックに連れて行っても、何の薬もくれないことで有名でした。
「ここまで来られたなら、もう大丈夫」」「寝てれば治るよ」と言われたと、
私の友だちはいつも、ぼやいてました。
もちろん、それでも、診察料は払うわけなので、
なんか損した気持ちになるんでしょうね。
(だから、行かなくていいんだって)

そういう親の気持ちを利用して、
不要な抗生物質を出してきた医師が、今度は、
薬は必要ないからと指導して
抗生物質の処方料の代わりに、別の
診療報酬をもらうということなんでしょうか。
厚生労働省、ここまで医者の面倒をみるって、
小児科医を子ども扱いしすぎじゃないの?

というわけで、薬剤耐性菌については、
先日私も取材したAMR臨床リファレンスセンター
ガ充実した資料をたくさん公開しているので、参考にしてください。

ちなみに、診療報酬改定の、関連個所は以下のようになっています。
以下が改定の文書です。
1.小児科外来診療料及び小児かかりつけ診療料において、
抗菌薬の適正使用に資する加算を新設する。
(新) 小児抗菌薬適正使用支援加算 80 点
[算定要件]
急性上気道感染症又は急性下痢症により受診した小児であって、初診の場
合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しな
いものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行
った場合に算定する。
なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、「抗微生物薬適正使用
の手引き」に則した療養上必要な説明及び治療を行っていること。
[施設基準]
感染症の研修会等に定期的に参加していること。
病院においては、データ提出加算2を算定していること。
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